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業界解説用語解説 2026/7/13約6分

石油元売の決算を乱高下させる「在庫評価損益」の正体

ENEOS・出光興産の利益は原油価格が動くだけで大きく振れる。実力を見る視点を整理する

本文中の株価・数値は開示時点のもの 出典 TDnet / EDINET / 各社IR

石油元売各社の決算では、「在庫評価損益」という言葉が頻繁に登場します。この一語を理解しているかどうかで、決算のニュースの読み方が大きく変わります。

1. 仕組み

石油元売会社は、原油を仕入れてから製品として販売するまでの間、一定量の在庫を保有し続けます。会計上、期末に保有する在庫の評価額は、その時点の原油・製品価格を基準に見直されます。原油価格が上昇すれば保有していた在庫の評価額が上がって利益に計上され、逆に下落すれば評価損として利益を押し下げます。この評価損益は、実際に製品を売って稼いだ利益(実質的な販売マージン)とは別物です。

2. なぜ決算の読み方に効くか

決算発表で「大幅増益」「大幅減益」という見出しが出ても、その中身が①在庫評価損益の影響なのか、②精製マージンや製油所稼働率など事業そのものの実力なのか、を切り分けないと実態を見誤ります。各社は決算資料で「在庫評価損益を除いた利益」を別掲することが多く、そちらの数字のほうが事業の実力に近い指標になります。原油価格が急変した局面ほど、この切り分けの重要性が増します。

出典:各社決算短信・決算説明資料の「在庫影響」開示欄(TDnet 適時開示情報閲覧サービス

3. 業界研究の視点

INPEXのような上流の資源開発事業者は、逆に原油・ガス価格の上昇がそのまま増収要因になりやすく、石油元売とは価格変動への反応の向きが異なります。同じ「資源価格の変動」というテーマでも、川上(開発)と川下(精製・販売)では効き方が逆になる点は、業界構造を理解するうえで押さえておきたい対比です。

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